米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古沖の地盤改良工事を巡り、県が国の関与取り消しを求めた二つの訴訟の判決で、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)は16日、いずれの訴えも退けた。
防衛省は2020年4月、埋め立て海域の軟弱地盤を改良するための工事で、設計変更を県に申請。不承認とした県の処分について、公有水面埋立法を所管する国土交通相が22年4月、取り消す裁決をするとともに、承認するよう是正指示をした。
県は不服として国地方係争処理委員会に審査を申し出たが退けられ、22年8月に提訴した。県側は、裁決と是正指示の行使は権限の不当な乱用と主張。国側は、裁決は訴訟の対象となる「国の関与」に当たらないとして訴えの却下を要求し、是正指示に関しては請求棄却を求めていた。