平成9年の神戸連続児童殺傷事件など、重大少年事件の記録が永久保存とされず廃棄された問題で、最高裁は16日、京都府亀岡市で24年に起きた少年の無免許暴走事故で娘を亡くした中江美則さん(59)に意見を聞いた。中江さんは「廃棄は大切な家族を失った遺族をさらに傷つけ、追い打ちをかける行為だ」と再発防止を強く求め、最高裁の担当者が謝罪した。
聞き取りは非公開で実施。中江さんによると、約40分の間、遺族にとっては犠牲者の命が詰まったのが事件記録だと説明。「廃棄を知り、娘が再び殺されたような気持ちになった。なぜ廃棄したのかを説明してほしいし、今後は全ての事件で記録の永久保存を検討してもらいたい」と求めた。
事故では児童ら10人が死傷し、中江さんの長女で妊娠中だった松村幸姫さん=当時(26)=も犠牲になった。