岩手県紫波町の介護老人保健施設「白鷺」で複数の職員が入所者をシーツで拘束するなどの虐待を行ったとして、県が事実上の営業停止処分としたことが15日、県への取材で分かった。
県によると、令和4年9月下旬~10月上旬、ひも状にしたシーツを使い、入所者7人をベッドや車椅子に縛り付けたとして、虐待行為と認定した。施設側は県の聞き取りに「転倒防止のためだった」と説明しているという。他にも入所者40人以上に対し、必要な介護を怠るなどしていた。
県は元職員だった男による身体的虐待も認定。県警は入所者を殴り、頭部裂傷を負わせたとして傷害容疑で4年10月にこの男を逮捕した。
県によると、今月14日時点の入所者は59人。県は同施設に対し2日、1年間の事実上の営業停止処分を通知した。入所者の転院のため、期間は6月からとした。施設側は「取材は遠慮したい」と話した。