ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんの訃報から一夜明けた14日午前、東京都内の大型書店には、著作などを集めた追悼コーナーが設置された。オンライン書店では、小説や評論がベストセラーランキングの上位に入り、関心の高さをうかがわせた。
アマゾンの書籍販売サイトでは同日午前、芥川賞受賞作「飼育」を収めた「大江健三郎自選短篇」、冷戦期の評論「ヒロシマ・ノート」「沖縄ノート」などが、ベストセラーランキングで部門別1位を記録。
13日にコーナーを設けた紀伊国屋書店新宿本店には、著作の文庫本を手に取る人の姿が。高校時代から愛読者という群馬県の男性(40)は「イメージを喚起する文章に、日本語の面白さ、表現の豊かさを学んだ。世界に日本文学を開いたパイオニアだった」とショックを隠せない様子だった。