トルコとシリアの国境付近で2月6日に発生した大地震から1カ月以上が過ぎた。130年以上前に起きた海難事故をきっかけにトルコと友好関係を維持してきた和歌山県串本町は21日、この海難事故をテーマにした日本トルコ合作映画「海難1890」のチャリティー上映会を開催する。地震で苦しむトルコの人たちを支援するために義援金を受け付ける。
海難事故は、明治23(1890)年9月16日に串本町の樫野崎沖で発生。航行中のオスマン帝国(現トルコ)の軍艦「エルトゥールル号」が台風に遭遇し、500人以上が死亡したが、住民が懸命に救助などにあたり、69人が助かった。日本とトルコの友好を示す史実として語り継がれている。
この事故をテーマにした「海難1890」は日本とトルコの俳優が出演し、町内でロケも行われた映画で、平成27年に公開された。今回、この映画を上映して広く支援を呼びかけようとチャリティー上映会を企画した。
21日の上映会の会場は町文化センター・大ホール。最大600人が入れる。午後1時半からと6時半からの2回の上映があり、義援金箱を設置する。一般千円、高校生200円、中学生以下100円程度の義援金の協力を求めており、集まった義援金は駐日トルコ大使館に贈る。
町の担当者は「串本町はトルコとの友好の原点のまち。町内外の多くの人に映画を見てほしい」と話している。
町は地震直後から義援金を募っており、町役場や町文化センター、旧古座分庁舎、町が管理するトルコ記念館で義援金箱を設置するほか、振込口座も開設。田嶋勝正町長らが2月17日、駐日トルコ大使館を訪れ、集まった義援金1500万円を贈った。