自民党の菅義偉前首相は12日夜、東京都内の日本料理店で萩生田光一政調会長や加藤勝信厚生労働相、武田良太元総務相と会食した。萩生田、加藤、武田の3氏は菅政権を閣僚として支えたメンバーで、各氏の名前の頭文字から「HKT」とも呼ばれる。3人は菅政権退陣後も定期的に会食を重ねているが、菅氏が会合に加わるのは初めて。
関係者によると、この日の会食では菅政権時代の思い出話を中心に、岸田文雄政権が取り組む子育て支援などの話題が出た。また、菅氏が今月末に超党派の日韓議員連盟の新会長に就任することから、3人は菅氏を支えながら「韓国との議員外交にしっかり取り組もう」との意見で一致したという。
萩生田、加藤、武田の3氏は平成15年の衆院選で初当選の同期。令和3年の党総裁選で菅氏再選のために集まったのが始まりだ。菅氏は総裁選には出馬せずに退陣したが、定期的に会合を開いて情報交換を重ねている。
萩生田氏は安倍派(清和政策研究会)、加藤氏は茂木派(平成研究会)、武田氏は二階派(志帥会)でそれぞれ番頭格や次世代のリーダー候補と目されている。3氏との強固な絆は、菅氏が「キングメーカー」の道を歩む上で重要なカードとなりそうだ。