将棋の第72期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の第6局が11、12の両日、佐賀県上峰町で指され、後手の藤井聡太王将(20)=棋聖・竜王・王位・叡王=が挑戦者の羽生善治九段(52)を88手で破ってシリーズの対戦成績を4勝2敗とし、王将の初防衛に成功した。歴代1位のタイトル獲得通算99期で、100期の大台が懸かっていた羽生九段は、今回での到達はならなかった。
藤井王将は初防衛について「意識はしていなかったが、非常に難解な将棋が多く大変なシリーズだった。その中で結果を残せた」と話した。藤井王将のタイトル数は12期となり、十八世名人の資格を持つ森内俊之九段(52)と並ぶ歴代8位となった。
藤井王将は1月開幕の王将戦と2月開幕の棋王戦五番勝負とのダブルタイトル戦に臨みながら、先日名人戦への挑戦を決めた順位戦A級や、4度目の優勝を果たした朝日杯将棋オープン戦にも参加し、過密スケジュールの中、好成績を残した。渡辺明棋王(38)=名人=に挑戦中の棋王戦は2勝1敗で、6冠目のタイトル獲得にあと1勝に迫っている。