神戸製鋼所子会社の石炭火力発電所2基(神戸市灘区)建設の環境影響評価(アセスメント)を巡り、経済産業相の確定通知は違法だとして、周辺住民らが国に通知取り消しを求めた訴訟で最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は住民側の上告を棄却する決定をした。9日付。請求を退けた1、2審判決が確定した。
判決は、二酸化炭素(CO2)排出による被害は個人的利益として保障されていないとして原告適格を認めなかった。一方、大気汚染による健康被害などは直接的に受ける恐れがあるとした上で、経産相の確定通知の判断は「社会通念に照らし、著しく妥当性を欠くとは言えない」とした。
弁護団は「気候変動の被害について司法による救済の道を閉ざしかねず、強く抗議する」とのコメントを出した。