中国の秦剛外相が7日、北京で開催中の全国人民代表大会で記者会見し、日本や台湾への強硬姿勢を見せ、日米同盟強化を牽制(けんせい)した。本格始動する3期目の習近平指導部を象徴する存在として早速頭角を現した秦氏はどのような人物なのか。
秦氏は会見で、日中関係をめぐり、「善隣友好を望む」としながら、日本は「中国を抑え込む新冷戦」に参画すべきではないと述べた。
米国のインド太平洋戦略についても「中国包囲が目的だ」と非難するなど対米強硬姿勢も隠さなかった。
さらに「台湾は中国の神聖な領土の一部」とする憲法を読み上げ、台湾は中国の「核心的利益の中の核心だ」と強調。米中関係にとって「越えてはならないレッドライン」と位置付け、関与しないよう米国に求めた。
秦氏は1966年3月生まれで天津市出身。前職の駐米大使時代には20州以上を訪れ、要人との関係構築に奔走したという。