--物価高による小売り事業への影響は
「傘下のスーパー(関西スーパーマーケット、イズミヤ、阪急オアシス)は消費者の生活防衛意識が働き、厳しい。阪急阪神百貨店は高額品を中心に回復基調で、免税売り上げも昨年12月までに新型コロナウイルス禍前の9割近い水準に戻った」
--百貨店の成長戦略をどう描いているか
「オンライン消費の定着を受け、デジタル技術を活用して顧客とつながる販売方式への転換を目指している。富裕層に個別の希望を聞き、さまざまなサービスを提案する取り組みを今春から本格化する」
--4月にイズミヤと阪急オアシスを合併する
「イズミヤと阪急オアシスの業務改革に注力する。仕入れから販売までを合理化し、最適なモデルを全店で共通化する。屋号は原則として維持する」
--関西スーパー買収を争った首都圏地盤のオーケー(横浜市)が、大阪府東大阪市で来年3月までに出店する方針で、京阪神進出に意欲を示している
「オーケーは価格重視の上に質のよい商品を展開し、価格競争の部分で影響を受けそうだ。一部の店舗を価格訴求型にすべく急ピッチで検討している」
--関西を中心にスーパーを展開する万代(東大阪市)との提携の方向性は
「2月に商品の共同調達で合弁会社をつくった。仕入れなどのインフラ面から連携を進め、デジタル化などの共同研究で成果を出せると期待している」
(牛島要平)
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あらき・なおや 京大卒。昭和56年阪急百貨店(現エイチ・ツー・オーリテイリング)。平成24年に阪急阪神百貨店社長、令和2年から現職。兵庫県出身。