(WBC強化試合、阪神4―7WBC韓国代表、7日、京セラ)淡々と自らのテンポで腕を振り、韓国打線を寄せつけなかった。「柔よく剛を制す」を体現するような投球で、西勇が4回3安打1失点。右手には好感触が残った。
「(坂本)誠志郎と配球を組み立てながら、いろんな球種を投げ込むことができた」
新球種として取り組むカットボールやカーブを交え、多彩な変化球で攻めた。一回はエドマン、金河成(キム・ハソン)両大リーガーの芯を外して内野ゴロに仕留め、韓国リーグで2年連続首位打者の3番・李政厚(イ・ジョンフ)もチェンジアップで右飛。二、三回もゼロを並べた。四回こそ1死一、三塁で三ゴロの間に1点を失ったが、きっちり後続は断った。
今後への明確なプランを持つ。打者との対戦を意識した本格投球はラストの2登板。そこに至るまでは下準備の期間として「試したいことを試す」と決め、今回は新球種を交えた配球パターンを確認した。「今後の配球の中でも十分に増やしていけるんじゃないか」。チーム最年長の32歳は、誰よりも貪欲に進化に取り組む。
岡田監督は「まだ(開幕前の)最終(登板)じゃないけど、次からはもう少し長いイニングを投げると思う。順調に来てるっていうか、そういう感じを受けました」とうなずいた。逆算すればシーズン初登板は開幕2カード目の初戦、4月4日の広島戦(マツダ)が濃厚。週初めの大事な一戦で、仁王立ちする。
「開幕に向けて、実戦で試すことができた配球パターンをしっかりと確立させていきたい」
ここ2年間は6勝、9勝。まだまだ、もっともっとやれる。今年の西勇は、ひと味違う。(須藤佳裕)