(オープン戦、ロッテ4−2日本ハム、7日、ゾゾマリン)育成出身6年目の右腕が、マリンで輝いた。ロッテ・森遼大朗投手(23)が先発し、4回無安打無失点。1日の前回登板から7回連続で無安打投球を続け、爽やかな笑顔で汗を拭った。
低めに制球した力強い直球を軸に3三振を奪い「きょうは真っすぐが一番よかった。押し込めていた」。四回2死からは清宮に対し、内角直球を強気に投げ込み、バットをへし折って一ゴロに抑えた。開幕ローテーション候補だった石川や二木が故障で離脱。台所事情が苦しい中、〝救世主〟として名乗りを上げた。
宮崎・都城商高から入団し、4年間の育成生活を経て2021年12月に支配下選手契約を勝ち取った。甘いマスクの持ち主で親しみを込め「森きゅん」と呼ぶファンもいる。先輩からも愛されるキャラクターで、オフは昨季10勝の美馬に弟子入り。投球時に力み過ぎる癖を指摘され、改善した。
140キロ台後半の直球でも打者が差し込まれる理由を、黒木投手コーチは「投球フォームに力感がない。打者はフォームでタイミングを取ることが多いけど、それより球がきている」と説明。フォームの改善が直球の質の向上につながった。
「1年間、ローテで回りたい。その中で勝ち星も」。プロ初勝利を目指し、積み重ねた努力の成果をマウンドで示す。(武田千怜)