江崎グリコの子会社、グリコマニュファクチャリングジャパン(大阪市)は7日、「アイスの実」などを製造している千葉工場(千葉県野田市)で令和元年5月から昨年12月にかけ、最大で基準値の2倍以上となる窒素やリンを含む排水を河川に流し、データを改竄(かいざん)して県に報告していたと発表した。県は7日に立ち入り検査を実施。人体に影響はないとしている。
県や同社によると、窒素やリンはプランクトンの栄養分で、赤潮などの発生につながる。排水は付近を流れる座生(ざおう)川から江戸川を経て東京湾に流れ込んだとみられる。改竄が確認されたのは窒素57回、リン28回、その他12回の計97回。このうち基準超過に関わるものは窒素38回、リン12回の計50回だった。
今年2月、同工場で未処理の水が外部に流出。調査の過程で、県への報告に用いた記録と元データを突き合わせた結果、改竄が発覚した。
現場担当者は聞き取りに対し、「少数で多くの設備を保守点検しており、限られた時間で改善作業を指示されることに抵抗があった」などと回答。担当者以外も基準超過で発せられたアラームに接していたが、対応しなかったという。