H3発射失敗 JAXA会見(下)「乗り越えられない壁ではない」

産経ニュース
オンライン会見後に開かれた囲み取材の冒頭、頭を下げて謝罪するJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャ(左)=7日午後5時30分、鹿児島県南種子町(恵守乾撮影)
オンライン会見後に開かれた囲み取材の冒頭、頭を下げて謝罪するJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャ(左)=7日午後5時30分、鹿児島県南種子町(恵守乾撮影)

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次世代ロケット「H3」の打ち上げ失敗を受け、H3の責任者である宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史(まさし)プロジェクトマネージャが7日午後、オンラインで記者会見した。岡田氏は第2段エンジンが着火しなかったことについて「なぜ起きてしまったのか、ぼうぜんとしている」などと述べた。主な一問一答は次の通り。

--打ち上げ失敗をどう受け止めるか

「(ロケットに搭載した)だいち3号の関係者の皆さまに、本当に申し訳なかった。地元の方々をはじめ多くのファンの方々に見守っていただいた中で、このような結果になってしまい申し訳なく思う」

--現時点で考えられる原因は

「ロケットの機体側の電気機器から、第2段エンジンが(着火の指令を)受ける部分のあたりをまずつぶさに見ていく必要がある。第2段エンジンは(H2Aの)改良型で、従来と根本的な違いがあるわけではない。それも踏まえて全体を当たる必要がある」

--エンジンではなく、疑わしきは機体側にあるということか

「それは可能性の一つ。まだどんな原因か分かっていないので、全体を網をかけて一つずつ潰していく。エンジンが指令を受けたが火がつかなかったのか、指令そのものが出なかったのか、まだ識別できていない。まずは両方を考えるべきだ」

--年度内の打ち上げというプレッシャーが準備に影響を与えたか

「(3月10日までの)予備期間は、われわれに与えられた期間なので、その中を目指して原因究明と対策を打ってきたのは事実だ。ただ、そこが中途半端な状態で打ち上げに臨むことはできると思っていない。無理に予備期間で打ち上げに臨んだのではない」

--第2段エンジンが着火しない間、管制室の雰囲気はどうだったか

「思い出せない。私はぼうぜんとしていた気がする。エンジンを空中で着火するのはすごく神経を使っているところなので、(点検で)しっかり確認してきたと思っている。なぜこれが起きてしまったのか分からず、ぼうぜんとしている状況だ」

--第1段エンジンが燃焼に成功したことの評価は

「この2年間、本当に苦労したエンジンなので、燃焼が終わって停止したときは本当によくやったなという気持ちになった」

--自動車用などの汎用(はんよう)部品を採用したことが失敗に影響した可能性は

「自動車用の部品はものすごく信頼性が高い。今回起きたことが、どういう関連を持つのか、あるいは全く持たない偶発的なものなのか。そこは急ピッチで検討していきたい」

--第2段エンジンの着火信号がうまく出ないトラブルは、リハーサルで過去にあったか

「私は聞いたことがない。H3に関しては恐らくないか、もしあったとしても、そこは確実に改善していると思う」

--第2段エンジンに汎用部品は使っているのか

「使っていないと思う。もしかしたらどこかにあるかもしれないが、そんなに多くはないと思う」

--打ち上げ失敗をどう捉えて、今後どう立ち向かっていくか

「打ち上げ失敗は開発の結果としては一番あってはならないこと。ただ、乗り越えられない壁ではないと思うので、どれだけ力を振り絞ってでも、みんなで力を合わせて乗り切りたい」

打ち上げ失敗のH3 第2段エンジンのトラブルか 発射15分後に指令破壊 JAXA


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