株式公開買い付け(TOB)の情報を公表前に得てインサイダー取引をしたとして、東京地検特捜部は6日、金融商品取引法違反の罪で、投資事業会社「ポラリス・キャピタル・グループ」元社員、横山一成被告(50)を在宅起訴した。証券取引等監視委員会が3日、東京地検に告発していた。
起訴状などによると、横山被告はポラリス社に勤務していた令和元年12月ごろ、医業支援会社「総合メディカルホールディングス」に関するTOB情報を知り、公表前の2年1月中旬~同年2月上旬に同社株計2千株を計約420万円で買い付けたとしている。
立体駐車場事業などを手がけていた「スペースバリューホールディングス」の株についても同様に事前情報を得て、3年11月に同社株計2万7千株を計約2390万円で買い付けたとしている。
横山被告はその後、両社の株を売却し、利益を得たとみられる。
ポラリス社は、未上場企業に投資し、成長後に売却することで利益を得る「プライベートエクイティファンド」を運営。監視委は、このファンドの元社員がインサイダー事件で告発されるのは初めてとしている。