和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド(AW)」で6日、鹿児島市の平川動物公園に送られる雄のホッキョクグマ、ライト(9歳)が最後の公開日を迎え、大好物の食べ物が入った氷がプレゼントされた。ライトは8日、平川動物公園に向けて出発。AWのホッキョクグマはこの1頭で、展示は休止される。
6日は開館前に、大好物のリンゴ、馬肉、ホッケが入った氷が2個贈られ、ライトは水中を泳いで口でキャッチ。水から上がり、おいしそうに食べていた。
飼育スタッフの鳥原峰幸さん(49)は「ここまで大きくなってくれてよかった。鹿児島に行っても多くの方にかわいがられる存在であってほしい」と話していた。
AWでは、平成5年にライトの両親となる雄雌2頭の飼育を開始。2頭の間に計10頭が生まれたが、ホッキョクグマの繁殖は難しく、ライト以外は死んでいる。ライトの父と母も死に、AWで飼育しているホッキョクグマはライト1頭になっていた。
ライトの出発を前に、ボードに来園者が別れの言葉を記しており、「かごしまでも、元気でね」「また会いましょう」などの言葉が贈られていた。
平川動物公園では現在、ホッキョクグマはおらず、飼育は令和2年10月以来。ライトは今月9日に到着予定で、動物公園では将来の繁殖を目指す。