【ソウル=桜井紀雄】米韓両軍は3日、韓国での大規模合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を13~23日の11日間実施すると発表した。米韓と北朝鮮の対話ムードの中、2018年4月を最後に中止された合同野外機動訓練「フォールイーグル」以上に規模を拡大した機動訓練「ウォリアーシールド(戦士の盾)FTX」も行う。
米韓両空軍は3日、米戦略爆撃機B1Bを動員した合同訓練も行った。北朝鮮は2月、米韓演習に先立ち、「前例のない強力な対応」を警告しており、弾道ミサイル発射など、軍事的な対抗措置に出る可能性がある。朝鮮半島を巡る緊張が一層高まりそうだ。
米韓両軍の当局者は「北朝鮮の核・ミサイルの高度化など、変化する脅威と安全保障環境を反映したシナリオを基に、対応能力をさらに強化する」と説明した。韓国の聯合ニュースは、米空母が参加する訓練や日米韓による北朝鮮のミサイル発射を想定した共同訓練も行うと伝えた。
韓国軍は、米韓の特殊部隊の合同訓練「チークナイフ」を金承謙(キム・スンギョム)合同参謀本部議長が2月末に視察したことも明らかにした。攻撃力の高さから「空の戦艦」の異名を持つ米軍のAC130J攻撃機が訓練に初投入された。北朝鮮の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記の指揮部を奇襲する「斬首作戦」も訓練に含まれるとされる。
斬首作戦に対する北朝鮮の反発が強く、訓練は主に非公開で行われてきた。米韓が異例の公開で北朝鮮への圧力を強めた形だ。