「桃の節句」の3日、人形供養で知られる和歌山市加太の淡嶋神社で、女の子の健やかな成長や幸せなどを願い、ひな人形などを舟に乗せて海へ流す伝統神事「ひな流し」が行われた。
江戸時代、紀州徳川家で姫が生まれると一対のひな人形を神社に奉納していたとの故事にちなみ、全国から古くなったひな人形などが寄せられるようになった。
ひな流しは、災いや厄を人形に託して無病息災を願う意味が込められている。
本殿で前田智子宮司が祝詞(のりと)をあげた後、巫女(みこ)らがひな人形約300体などを白木造りの小舟に乗せ、神社近くの桟橋へ移動。春らしい陽気の下、穏やかな海へ流した。
前田宮司は「無病息災に加え、(新型コロナウイルスの)疫病退散の願いを込めて祝詞をあげた」と話した。