建物老朽化のため、先月14日に旧店舗での営業を終了した甲府市の百貨店、岡島は、至近の商業ビル「ココリ」内に新店舗を移転し、3日、営業を再開した。午前10時のオープン直前には約250人が行列を作るなど、県内唯一の百貨店存続を多くの人々が祝った。
食料品売り場などに客が殺到し、特に営業再開を記念した福袋に人気が集中した。甲府市内在住の70代の女性は「これまでプレゼントやお使い物で岡島を使ってきた。新しいお店でも続けられてうれしい」と話していた。
新店舗は3フロアで、これまでの店舗に比べ、売り場面積は7分の1に縮小した。だが、「上質」をコンセプトに食料品、ファッション、化粧品、雑貨、家具などの売り場を中心に、富裕層やこだわりの消費行動をとる層をターゲットにする。
雨宮潔社長は「短期間での営業再開で、お客さまへの迷惑を最小限にできた。入り口でお客さまから『お店を続けてくれてありがとう』と声をかけられ、感無量だ」と話す。そのうえで、「商品の専門家による対面販売という百貨店の強みをいかして、機動的な営業を進めていきたい」と、新店舗の方針を説明した。