ダイドーグループホールディングスが3日発表した令和5年1月期連結決算は、最終損益が5億円の赤字(前期は39億円の黒字)となった。営業利益は7億円で前期比84・6%の大幅減。コーヒー豆など原材料価格の高騰や物流、光熱費のコスト増に加え、トルコの通貨リラ安による物価上昇を受けトルコ子会社の資産などの簿価を修正する「超インフレ会計」を適用したことが影響した。
昨年10月から商品の値上げを順次進めたが、一時落ち込んだ販売量は回復に転じているという。この日の決算会見で高松富也社長は「他社に先駆けて価格改定を実行したことで一旦は販売が落ちたが、同業他社も価格を改定したことで売り上げが回復。飲みたいときにすぐ飲める自動販売機飲料の利便性が認められた」と分析した。
5月1日納品分からは新たに缶コーヒーやペットボトル飲料など20品目で7~22%の値上げを予定しており、収益性の改善を図る。
会見に同席した子会社ダイドードリンコの中島孝徳社長は、値上げによる買い控え対策として、自販機の商品アイテムの拡充や新規設置場所の開拓を挙げたほか「現金しか使えない自販機より売り上げ減の影響が少ない」として、スマートフォンなどの電子マネーで買える「キャッシュレス自販機」を増やす考えも示した。