家電製品の仕入れに充てると偽り、銀行から融資金計5億4千万円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は2日、詐欺の疑いで、主に家庭用給湯器の設置販売などを行っていた「イースター」(横浜市)の元社長、松島康倉容疑者(47)と税理士法人の元事務員、岡山和洋容疑者(53)を逮捕した。認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は協力会社の社長と共謀し、令和元年11~12月、粉飾した決算報告書を銀行に提出してイースター社が業績好調だと誤信させた上で、5回にわたり計5億4千万円を詐取したとしている。
関係者によると、松島容疑者は銀行に対し、「融資金で(協力会社から)テレビなどを仕入れ、取引のある大手家電量販店などへの売買代金で一括返済する」と説明。信用を得るため発注書などの過去の取引記録を示していたが、書類は偽造されたもので、実際には取引実績はなかった。
融資金を一次的に協力会社に流した上で別会社を通じて還流させ、その際に家電量販店などからの入金と装う手口も繰り返していたとみられ、決算報告書にはこうした架空の売り上げを計上していたという。