遅延が200分の1に NTTの次世代光通信技術、「eスポーツ」などに活用想定

産経ニュース
次世代光通信技術の初の商用サービス「IOWN1.0」を説明するNTTの川添雄彦副社長(左)=2日、東京都千代田区
次世代光通信技術の初の商用サービス「IOWN1.0」を説明するNTTの川添雄彦副社長(左)=2日、東京都千代田区

NTTは2日、次世代の光通信技術「IOWN(アイオン)」の初の商用化サービスについて16日から提供を開始すると発表した。従来の光回線インターネットの200分の1の低遅延を実現しており、僅かな遅延が勝敗に影響する「eスポーツ」の大会などでの利用が当初は想定されている。月額通信料は198万円と高額なため主に法人向けを想定しているが、会見したNTTの川添雄彦副社長は「ネットも始まったころは高価だった」と述べ、今後の普及と低価格化に期待感を示した。

「IOWN1・0」は、1つの拠点ともう1つの拠点を新開発の光通信技術で結ぶことで、毎秒100ギガビットという高速通信を保ちながら、従来の200分の1という低遅延を実現できるという。提供エリアは国内全域で工事期間は約6カ月と想定している。

サービス開始に合わせて、拠点ごとの遅延を測定して100万分の1秒単位で調整できる専用機器も約650万円で販売する。従来の光回線の場合、遅延が大きくなったり小さくなったりする「ゆらぎ」が生じていたが、IOWNではなくなるという。

低遅延や遅延の調整が最も影響する利用シーンの一つとしてNTTが紹介したのはeスポーツ。従来だと拠点間の距離が離れているほど遅延が大きくなっていたが、IOWNを利用することで遅延を一定にすることが可能になり、公平で快適なeスポーツの環境が整備できるという。例えばこれまで札幌と福岡を結んでeスポーツで対戦した場合、神奈川と東京を結んだ場合に比べると遅延が大きかったという。

会見で川添氏は、2020年にNTTが米インテルとソニーの3社で設立したIOWNの国際標準化を目指す業界団体「IOWNグローバルフォーラム」にKDDIも参加したことを明らかにした。フォーラムには2月時点で国内外の企業や大学など117の組織・団体が参加しており、「標準化を進める中でいろんなパートナーの力を借りて進める」と述べた。ただ、KDDIなど特定の情報通信企業とのIOWNの共同開発の方針については否定した。

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