都市部を中心にマンション住民が増えている。東京都心では1棟に数千人が暮らす大規模物件も多く、マンションの防災は街全体の災害対策にとっても重要な課題となっている。
現行の耐震基準などを満たすマンションは地震で倒壊する恐れは少ない。とはいえ、ひとたび直下型地震などが起きれば、配管の損傷で水道やトイレの復旧に1カ月以上かかったり、長時間エレベーターが止まったりするリスクが指摘されている。
災害時には数千人の在宅避難が想定される大規模マンション。災害への備えは各管理組合が担うが、住民が多いほど意思疎通や調整は難しくなるのが実情だ。
こうしたなか、大規模物件も多く手がける三菱地所レジデンスは、社員が立ち上げたボランティア組織「三菱地所グループの防災倶楽部」などを通じて、管理組合の災害対策を支援する活動を行っている。
その一環として2月、東京・晴海にある約1800戸の49階建てツインタワーマンション「ザ・パークハウス 晴海タワーズ」で行われた防災訓練に協力した。男性が水10リットルを持って20階まで苦労して階段を上る様子がオンライン中継されると、住民たちは在宅避難の要となる水とトイレの重要性を再認識していた。
同社の担当者は「総合デベロッパーの一員として、建てて引き渡した後も住民の安心に寄り添っていきたい」と話している。(取材協力 三菱地所レジデンス)