堺市教育委員会は1日、同市立小学校でいじめを受けて不登校となった男子児童に卒業証書を渡さなかったなどとして、当時の男性校長(63)=市教育センター再任用職員=を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。いじめの不適切対応で懲戒処分を行うのは初めてという。
市教委などによると、平成29~30年度、男子児童が同級生から暴言を受けるなどして約2年間不登校のまま卒業を迎えた。学校は市教委に報告せず、児童側に卒業証書も渡していなかった。進学した中学校にもいじめに関する引き継ぎを行っておらず、1年時に加害者の生徒と同じクラスになるなどした。
昨年10月、市教委が公開した第三者委員会の報告書では「いじめ重大事態」と認定し、学校の対応に問題があったと指摘した。