イラン核合意の検証に当たる国際原子力機関(IAEA)は2月28日、イラン中部フォルドゥの施設で、濃縮度83・7%のウラン粒子を検知したとする報告書をまとめた。核兵器級の90%に近づいており、核合意修復に向けた米国とイランの間接協議が停滞する中、イランへの国際社会の懸念がさらに深まりそうだ。
イランはIAEAに対し、故意ではない濃縮レベルの変動は起こり得るなどと説明しており、IAEAとイランは原因の解明に向けて協議を続けている。
報告書によると、IAEAは1月22日にフォルドゥの施設で環境サンプルを採取、分析の結果83・7%のウラン粒子を確認した。
既に米紙ウォールストリート・ジャーナルが2月19日、IAEAがイランで濃縮度84%のウランを検知したと報道。イラン政府高官は共同通信に「技術的なミスで、故意ではない。60%以上のウラン濃縮は計画していない」と主張していた。(共同)