大阪府高槻市で令和3年7月、会社員の高井直子さん=当時(54)=が殺害された事件で、高井さんのいとこの姉妹2人が1日、大阪市内で記者会見し、殺人容疑などで逮捕された養子の高井(旧姓・松田)凜(りん)容疑者=当時(28)=が、大阪府警の留置施設内で自殺する形で捜査終結したことについて、「直子姉ちゃんの無念を晴らす機会が奪われてしまった」とつらい心境を明かした。
凜容疑者は、昨年9月1日朝、府警福島署の留置施設内で自殺を図って死亡。同署員らが巡回や私物点検を怠るなどの問題も判明し、関与した署員ら18人が処分される事態となった。
姉妹は府警の一連の捜査に感謝する一方で、府警側から「組織を代表して謝ります」との言葉を述べられたことはあったが、処分された18人から直接の謝罪は一度もないと説明。「府警の不作為で(凜容疑者に)罪を償わせる機会が奪われた。ただ人として(18人に)謝ってほしい」と訴えた。
また、凜容疑者の家族に対しても、同様に謝罪がないといい「納得できない」と話した。
いとこの女性(45)は、「小さい頃からずっと憧れの存在だった。なぜ死ななければならなかったのか」と声を震わせた。