騎乗会は午前と午後の2部制で行われ、SNS(交流サイト)で開催を知った参加者が関西一円や関東からも集まった。参加者らは野外狩猟用の狩衣などの装束や甲冑を身に着け、賀茂神社まで騎乗して参拝。磯部さんらが戦国時代の合戦を再現する演武を披露した。
騎乗会を主催した紅葉台木曽馬牧場の野島由紀子さんによると、テレビの時代劇などで現在使われている馬の多くは日本に存在しなかった大型のサラブレッド。在来馬が希少なことが要因だが、在来馬では甲冑の重さに耐えられないという通説も根強いという。
「在来馬を育成してみて分かったことは、在来馬は時速40キロ以上の速さで走ることができ、山道でも駆け上っていける。車で例えれば、サラブレッドはレーシングカーで、在来馬は四輪駆動の小型自動車のイメージに近い」と野島さん。
現在ではほとんど失われてしまったという在来馬の騎乗技術の再現にも取り組んでいる磯部さんは「絶滅の危機にひんしている在来馬の活躍の場を増やして、その能力の高さを広く知ってもらい、未来に伝えていきたい」と話している。