東京都狛江市で大塩衣与(きぬよ)さん(90)が殺害された強盗殺人事件で、犯行車両のレンタカー内で見つかった手袋から、実行役とされる永田陸人容疑者(21)のDNA型が検出されたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。手袋には大塩さんの血痕も付着しており、警視庁調布署捜査本部は永田容疑者が暴行を加えたとみている。
捜査関係者によると、永田容疑者は狛江事件翌日の1月20日、足立区内で身柄を確保されたが、その際に使っていたレンタカーは狛江事件に用いたもので、車内から被害品の高級腕時計や血痕が付いた手袋が見つかった。警視庁が手袋を鑑定した結果、付着した血痕のDNA型が大塩さんのものと一致したほか、永田容疑者のDNA型も検出されたという。
また、車内から押収された携帯電話には「キム」と名乗る指示役から事件現場の住所や「手袋と目出し帽を用意しろ」などと送られたメッセージもあった。
大塩さんの死因は、激しい暴行を受け、あばら骨骨折などの多発外傷による急性呼吸不全。住宅に残された足跡は4種類で、実行役は強盗殺人容疑などで逮捕した永田容疑者と野村広之容疑者(52)、大学生の男(19)、広島市の強盗殺人未遂事件で逮捕されている加藤臣吾容疑者(24)とみられている。
捜査本部は24日、野村と永田の両容疑者、大学生の男、強盗殺人幇助(ほうじょ)などの容疑で逮捕した福島聖悟容疑者(34)を送検した。