ドイツで開催中の第73回ベルリン国際映画祭で、コンペティション部門に出品されている新海誠監督(50)の最新作「すずめの戸締まり」が23日(日本時間同日深夜)、公式上映された。
満員の客席から3分間におよぶ盛大な拍手が巻き起こり、ヒロインの声を担当した女優、原菜乃華(19)らと登壇した新海監督は「とてもうれしいです」と感謝。劇中に登場する東日本大震災の被災状況を説明し、「どんなに大きな災害にあっても、人は笑いながら成長していきます。こうやってたくさんの方に笑いながら観てもらえたことが幸せでした」とあいさつした。
レッドカーペットには劇中に登場する〝草太(すずめの椅子)〟と参加。現地に駆け付けた各国のファンからサインを求められるなど歓迎され、新海監督は「夢のようだ。日本の出来事を描いたこの映画がベルリンから、そこから先の世界の方々に少しでも深い場所へと届くといいなと思っています」と期待。鮮やかな赤の着物姿で初めてレッドカーペットを歩いた原も「ベルリンの方々の反応がとても良くて、たくさん元気をもらいました。世界中の方と感想を語り合えるような機会があったらいいなと思います」とほほ笑んだ。
同映画祭のコンペティション部門に日本のアニメ映画が選出されたのは、最高賞を受賞した宮崎駿監督(82)の「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり。主要賞は25日(日本時間26日)に発表される。