【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は22日、難民申請件数が昨年1年間で96万6000人に達したと発表した。ロシアの侵攻でEUに流入したウクライナ難民を加えると約500万人となり、「各国の難民受け入れ施設が厳しい状況に置かれている」と警鐘を鳴らした。
統計を発表したのは、欧州連合庇護機関(EUAA)。難民申請件数はEUに隣接するノルウェー、スイスを加えた合計で、2021年比で5割増えた。
最多はシリアの13万2000人。アフガニスタンが12万9000人、トルコが5万5000人と続く。EUAAは、新型コロナウイルス禍が一段落して各国の渡航規制が緩和されたうえ、紛争や食料不安が広がったことが難民流出を促したとみている。シリア内戦でEUに難民が大量流入した15、16年に次ぐ規模となった。
EUではウクライナから域内に逃れた約400万人については、難民申請手続きを経ずに受け入れを認めている。EUAAは、EUで移民・難民受け入れの支援や調整を行う機関。