【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は20日、イスラエルによるユダヤ人入植地の一方的な拡大に「強く反対する」との議長声明案を全会一致で採択した。安保理のイスラエル非難に米国が同調するのは2016年12月以来、約6年ぶり。ロイター通信によると、イスラエル首相府は「一方的な声明だ」と反発した。
議長声明は、イスラエル政府が12日に占領地ヨルダン川西岸に無許可で建設された入植地9カ所の「合法化」などを発表したことに対して「深い懸念と落胆」を表明。パレスチナ国家の建設を認める「2国家共存案を脅かしている」と述べた。パレスチナ側にはテロ行為の自制を求めた。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は採択に同意した理由を、一方的な入植活動は「緊張を悪化させ、当事者間の信頼を損なう」と説明した。
ただ、イスラエル首相府は「ユダヤ人が歴史的に結びついた祖国に暮らす権利を否定した。米国は(声明の採択に)加わるべきではなかった」と非難。現在のネタニヤフ政権は極右政党も参加し「史上最も右寄り」とされ、パレスチナとの衝突が懸念されている。