WBC日本代表強化合宿(20日、宮崎)チーム最年長36歳のダルビッシュ(パドレス)は、後輩たちの心技体に好影響をもたらしている。含蓄ある発言から「投げる哲学者」と称される今永(DeNA)は、メンタル面の助言に「人から掛けてもらう言葉も大事だけど、自分が自分に掛ける言葉も大事と話してもらった」と感銘を受けていた。
「ネガティブ」な性格を自認し、試合前に不安に陥ることがあるという左腕。説かれたのは自己肯定のススメで「自分を許してあげる気持ちも大事。(理想の投球が)1球目からできなくてもいい」と心が軽くなった。
スライダーの教えには驚きを隠せなかった。「(投げた球の)前に空間がないと曲げるのは難しいと言われた。その概念がなかった。真っすぐに近づけようと思っていた」。佐々木朗(ロッテ)や大勢(巨人)らと同様、直伝のスライダーに好感触を得ている。
松井裕(楽天)はウエートトレーニングで学んだ。より大きな効果を生み出すため、肋骨(ろっこつ)の向きや呼吸法にもこだわる大黒柱。その存在は、まさに生きた教材だ。(鈴木智紘)