ポトマック通信

断食の政治学

産経ニュース

先月、トランプ米前大統領を支持するキリスト教ナショナリストの集会を取材し、「2年間、断食を続けている」という女性と知り合った。民主党のバイデン現大統領が就任した2021年1月以降、トランプ氏が再び当選するまで「食事は1日1回」。どの時間帯に食べるかはその日の気分によるそうだが、「おかげで体重が35ポンド(約16キロ)は減った」と笑う。

イスラム教には約1カ月間、日中の飲食を断つラマダン(断食月)がある。私はエジプトに留学していた学生時代に挑戦してみて、激しい体力の消耗から何度も挫折しそうになった。後に中東特派員になった際、「またやろう」とはつゆほどにも思わなかった。

7人の孫がいるという女性はすこぶる元気そうなので、きっと体に合っているのだろう。周りにも断食を勧めているという。

ただ、断食での願かけと選挙の当落は無関係である。なのに女性は「断食には悪魔(民主党を指す)を追い払う力がある」と信じている。なぜなのか。

聖書には、ペルシャの王にユダヤ人弾圧を思いとどまらせたエステル妃の物語などに断食の記述が登場する。キリスト教でエステルは神意の体現者とされる人物。熱心な支持者はそこにトランプ氏と重ねている。彼らにとっては断食も政治の一部なのだ。(大内清)

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