3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本代表が優勝すれば国内での経済効果が約596億円にのぼることが20日、分かった。阪神の優勝の際など数々の経済効果試算で知られる関大の宮本勝浩名誉教授(78)が計算した。
3大会ぶり3度目の優勝を目指す侍ジャパン。ファンの期待は高まる一方だ。宮本氏は前回2017年の大会では、日本優勝の経済効果を約343億円と試算していた。「約250億円も増加する経済効果をもたらす侍ジャパンの優勝は、日本人に素晴らしい感動を与えてくれるだろう」と期待を寄せた。
宮本氏は収入面を2つに分けて計算。まず、全額が日本側の収入になる3月4日の壮行試合までの入場料、飲食店・物販などの売り上げに加え、優勝パレードや選手らの出場料・優勝賞金といった部分について、直接効果が約172億円と算出。
次に、米国側の主催者に収入のかなりの割合が渡ることになっている3月6日以降について計算した。試合に関する売り上げは日本国内の経済効果に貢献する一方、放映権料やスポンサー収入は米側にわたるため影響しないと仮定。3月6日以降の試合での直接効果が約104億円とした。
この2つの直接効果を合わせると、国内での直接効果は計約276億円になった。さらに1次と2次の波及効果を加え、経済効果全体では約596億円としている。
宮本氏は経済効果が大幅に増えた理由について、「6年ぶり開催でファンが待ち望んでいたこと。前回出場しなかった大谷翔平選手ら、ファンが見たい実力のある人気選手が出場することなどが考えられる」と説明した。