北朝鮮が大陸間弾道ミサイル「ICBM」で、日米同盟を恫喝(どうかつ)している。昨年11月の「火星17」に続き、18日にも「火星15」を、北海道西方の日本海、わが国の排他的経済水域(EEZ)内に撃ち込んだのだ。射程は米国全土を収める1万4000キロを超える可能性があり、米国の核戦力で日本を守る「拡大抑止」への不安が浮上している。北朝鮮は20日朝にも日本海に弾道ミサイル2発を発射した。岸田文雄政権は昨年12月、国家安全保障戦略など新たな「安保3文書」を閣議決定したが、それだけで国民の生命と財産を守り切れるのか。「非核三原則の見直し」や、「朝鮮総連への制裁強化」を主張する識者もいる。
「あらゆる事態に対処する日米の強い意思と自衛隊と米軍の即応態勢を確認するとともに、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化した」
防衛省統合幕僚監部は19日、航空自衛隊と米軍の戦闘機や爆撃機による共同訓練を同日実施したことについて、こう発表した。
北朝鮮が前日、ICBMを日本のEEZに撃ち込んだことに対抗して、空自の「F15戦闘機」3機と、米軍の「B1B戦略爆撃機」2機、「F16戦闘機」4機が参加した。米軍は同日、韓国軍とも戦略爆撃機や戦闘機を投入した合同訓練を実施した。
ところが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記率いる北朝鮮は、あまり動じていないようだ。
韓国軍合同参謀本部は20日、北朝鮮が日本海側へ向けて弾道ミサイルを発射したと発表した。日本の海上保安庁は同日、防衛省の情報として、北朝鮮が弾道ミサイルの可能性があるものを複数発射したと発表した。今回は日本のEEZ外に落下したようだ。