大観衆の前でスコッティー・シェフラーが大会連覇を果たした。
ダウンスイングからフィニッシュに向かって右足がカカト側にぶれ、踊っているように見える個性的なスイングなのだが、飛距離もショット精度もトップクラスにいる。それを生み出しているのが、下半身が暴れだすほどの回転量の大さと回転スピードの速さだ。
シェフラーは左足を軸にして回転動作を行っている。やや左足体重のアドレスから、右足への移動を最小限に抑えてトップスイングを作り、ダウンスイングに切り返す。そこからさらに左サイドに重心を移動させながらの回転で大きなフォロースルーを実現させているのだ。
このときのポイントが、スパイクの中で起こす小さな動きになる。アドレスでの重心は、土踏まずから母指丘にかけて、つまり、ややつま先よりにかかっている。それを、トップスイングまでにカカト側に移動させる。この動きは、右ヒップを後方にターンさせることで起きている。
右つま先寄りのまま踏ん張りヒップターンさせようとするのは、回転量不足となり、アマチュアに多く見られるアウトサイドインのカット打ち軌道になりやすい。右足裏に感じる前後の重心移動は、スイングしている本人が意識すべき感覚の世界ではある。