フィリピンのマルコス大統領は14日、中国の黄渓連・駐フィリピン大使を呼び出し、フィリピン沿岸警備隊の巡視船が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のアユンギン礁付近で中国海警局の艦船から軍事用レーザーの照射を受けたことについて「深刻な懸念」を伝えた。大統領府などが発表した。大統領が外交ルートではなく、自ら大使に懸念を伝達するのは極めて異例。
中国外務省の報道官は15日の記者会見で、レーザー照射はフィリピン船との距離を測り、安全を確保する目的だったと主張。「フィリピン側の乗組員に対し、レーザーを照射していない」と述べた。
マルコス氏は、フィリピンの沿岸警備隊や漁船に対する中国側からの行動が頻度や激しさを増していると批判した。1月に訪中した際、習近平国家主席との首脳会談で南シナ海問題に「友好的な協議を通じて対処する」ことで合意していた。黄氏とマルコス氏は、この合意をどのように実施し、対話を強化するか意見交換したという。(共同)