4月1日付で西武ホールディングス(HD)の次期社長に就任することが決まった西山隆一郎常務執行役員(58)が14日、東京都内で記者会見を開いた。新型コロナウイルス禍で経営にダメージを負った中、自らの役割を「回復から成長へと次のステージにつなげること」と語った。
銀行業界から西武HDに移ったのは、グループ再編から間もない平成21年。後藤高志社長が経営改革に取り組む中で、対外的な情報発信力の高さを買われた。
西武鉄道への出向期間を含め、7年半にわたりグループ広報の中枢を担当。26年の西武HD上場を巡って筆頭株主だった米投資ファンドから敵対的TOBを仕掛けられた際は、報道が過熱する中でフェアな対応と的確な情報発信を徹底し、メディアや株主らからの理解醸成に力を発揮した。
この日、同席した後藤氏も西山氏の人柄を「明朗快活でフェア」と評価。後任に据えた理由として、決断力と人望の高さを挙げた。
各事業で「専門性と先進性の追求」を目指す西山氏は、それを支える社員たちの成長にも言及。「社員ひとりひとりが持つ創造性を生かし、現場で臨機応変に決断する実践的な知恵にあふれた生き生きした集団になっていきたい」と語る。
座右の銘は「前進」。ピンチをチャンスに変え、さらなる高みを目指す。(福田涼太郎)