江崎グリコが14日発表した令和4年12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比33・5%減の128億円、最終利益は40・1%減の80億円となった。新型コロナウイルス感染拡大による中国のロックダウン(都市封鎖)で上海の自社工場が一時、操業停止したことや原材料高騰などが響いた。
4年12月期から「収益認識に関する会計基準」を採用しており、売上高は3039億円。前期は3385億円だが、前期にもこの新会計基準を適用した場合、2925億円となるため3・9%増となる。ヨーグルト商品などを扱う乳業や、糖質を抑えたアイスクリームなど健康食品が苦戦したが、東南アジアや米国での好調な菓子販売が下支えした。
5年12月期の連結業績予想は、売上高が4・3%増の3170億円、最終利益が23・5%増の100億円。14日の決算会見で同社の高橋真一常務執行役員は「新型コロナ感染の先行きが不透明とはいえ、上海のロックダウンで起きたような状況はもうない」とし、順次進めている一部商品の値上げで「収益性は改善する」と見通しを述べた。