もはや仕事や生活になくてはならないものになりつつあるデジタルガジェットの数々。購入を薦められることは多々あるが、正しい捨て方は知られていない。本連載では、デジタルガジェットの正しい捨て方を専門家に聞いていく。
今回は、外出時などスマートフォンのバッテリーが心もとない時に便利なモバイルバッテリーの捨て方を紹介。アンカー・ジャパンの井田真人さん(カスタマー・エクスペリエンス本部 本部長)に、1問1答形式で聞いた。
モバイルバッテリー、正しい交換のタイミングは?
──モバイルバッテリーを捨てる、もしくは交換する適切なタイミングを教えてください
井田さん モバイルバッテリーの寿命は、破損などの場合を除いて、リチウムイオン電池の寿命と同じといえます。
リチウムイオン電池は、充放電回数を重ねることにより劣化 (電池容量の低下)が生じます。モバイルバッテリーの寿命の目安は、一般的に電池容量が本来の80%以下になった状態です。
充電回数が300~500サイクルに達すると、電池容量が80%以下になるといわれています。1サイクルは、バッテリー残量が0%から100%まで充電され、再び0%になるまでを指します。
使用期間や回数に限らず、モバイルバッテリーに下記の症状が見られた際には寿命の可能性が高いため、使い続けることなく早めに買い替えることをおすすめします。
■本体への充電時間が以前より長い
■バッテリー残量の減りが以前より早い
■機器への給電が遅い、充電できないことがある
■充電器の本体が以前よりも熱く感じる
■本体が膨張している、または破損している
──モバイルバッテリーを捨てるとき、何ゴミとして捨てるべきか教えてください
井田さん モバイルバッテリーは、ほとんどの自治体で「燃えないゴミ」として処分できません。基本的に家庭用のゴミとして捨てられないので、お住まいの地域の指示に従って廃棄いただくことが一般的です。
例えばアンカー・ジャパンの本社所在地である東京都千代田区では、リチウムイオン電池は「蛍光管等」として回収されています。ただ、多くの自治体では、モバイルバッテリーをリチウムイオン電池として廃棄に出すには電池単体への分解が必要です。
モバイルバッテリーは精密機器なので、お客様による分解は電池の損傷の可能性があり危険を伴います。廃棄以外の方法としては、家電量販店のリサイクルBOXへの持ち込みなどが挙げられます。アンカー・ジャパン公式サイトや公式ショップ「Anker Store」でも、リサイクルのためモバイルバッテリーの回収を行っていますので、分解せずにお持ち込みください。
編集注:回収BOXはバッテリーのリサイクルを推進する社団法人JBRCなどが設置している。JBRCの場合、非加盟メーカーのバッテリーは回収を受け付けていない。アンカー・ジャパンはJBRCに加盟している。
──モバイルバッテリーを捨てたり、回収に出したりするときの注意点があれば教えてください
井田さん お客様による分解は、電池の損傷につながる可能性があります。危険を伴うので、絶対に行わないでください。
Anker Japan公式サイトで回収しているモバイルバッテリーに関しては、お客様に依頼している処理はございません。故障・破損している製品でも回収します。
また、モバイルバッテリーは通常の使用時から下記に留意してご使用ください。処分の際も同様です。
■極端な高温・低温の環境を避けること
■過度な衝撃を与えないこと
■水気を避けること
──Anker製でないモバイルバッテリーについてはどのように処分すればよいでしょうか?
Anker製品以外については、原則として各メーカーからの案内に従って回収にご協力ください。家電量販店や自治体での回収時に必要なことに関しては、各団体の案内に沿って処分いただきたいため、回答しかねます。
(ITmedia NEWS)