九州「正論」懇話会の第155回講演会が9日、福岡市中央区のホテルニューオータニ博多で開かれ、前統合幕僚長の河野克俊氏が「今後の日本の安全保障とその課題」と題して講演した。
河野氏は米中関係に関して「主たる対決の場所は海洋になるだろう」との見方を示し、南西諸島からフィリピンを結ぶ第1列島線上に台湾があることを説明。台湾有事について「第1列島線の内側に日米の艦隊を入れないのが中国の前提となる。米国と対決しないといけない中国にとって、台湾は解決しないといけない通過点であり、悠長に構えられる話ではない」と強調した。
台湾総統選が行われる2024年から、中国の習近平指導部が3期目の任期満了を迎える2027年までが「一番危険な期間」と指摘し、日本の防衛力強化などを訴えた。