DeNA春季キャンプ(4日、沖縄・宜野湾)牧秀悟内野手(24)が、沖縄・宜野湾での春季キャンプの居残り特打で、打撃投手を務めた三浦大輔監督(49)と〝対戦〟。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選出されている主砲は、現役時代に通算172勝を挙げた指揮官の生きた球を左翼席へと運び、「番長魂」を胸に3大会ぶりの世界一奪還を誓った。
「いけ~!!」と叫んだ牧の打球が、左翼フェンスを越えた。三浦監督と対峙(たいじ)し、20スイング目に待望の一発。キャンプ初の土曜日に詰めかけた多くのファンから起こった拍手に、バットを空に掲げて応えた。
「最後だったので、(柵越えを)打って終わりたかった。風もあったけど、打ててよかった」
全体練習後の午後3時15分。メイン球場で行われた居残り特打に、三浦監督が登板した。指揮官との〝今キャンプ初対戦〟に牧は「3年目になるけど、常にいい球。やっぱりモチベーションというか、すごくテンションが上がる」と気合を入れた。
現役引退から7年がたっても、ベイスターズのエースとして活躍した指揮官の球は健在だった。「真っすぐだけですけど、本当に切れのある球を投げている」と牧。WBCに向けて投球への目慣らしを最優先事項に掲げており、三浦監督の魂がこもった球を打つことは貴重な時間。「本当にいい練習ができた」と感謝を口にした。
3月9日の初戦(中国戦)まで1カ月。「(打つ)ポイントの感覚がまだ合っていない時期なので、しっかり振って合わせていくことをメインにやっている」と語る。特打には球速150キロに設定されたマシンを通常の18・44メートルよりも手前に出す〝体感170キロ〟レーンも用意され「速い球こそ当てにいかず、振って合わせられるように」と感覚を研ぎ澄ましている。
17日からは、宮崎で日本代表の強化合宿に参加する。WBCに向けた調整への専念を命じてくれた三浦監督に感謝の思いを抱き、3大会ぶりの優勝を目指す。「日本を代表して戦う大会なので、そこはかなり自分にプレッシャーをかけてやっていく。(大会までの)期間は短いので、一日一日を大切にしていきたい」。牧が〝番長魂〟を胸に刻み、世界一への歩みを進める。(浜浦日向)