こんにちは、フォトグラファーの吉田パンダです。机の下のベッドに隠れているのは冬の黒キツネならぬ、黒い悪魔とも呼ばれるスキッパーキのスキです。本能なのか、時折少し隠れている場所で一人落ち着いているのが「スキ」みたいです。
そんな黒キツネのスキと、今日はノルマンディーのペルシュ地方にやってきました。
あいにくの天気ですが、窓の外にはどこまでも緑広がる風景が続くペルシュ地方。
どの町も素朴で懐かしい風景が残されています。今日やってきたのはAuthon du Perche(オートン・デュ・ペルシュ)という小さな町。えー、個人売買サイトでカメラを購入したので、その引き取りが主な目的でして、、←オイ。
せっかく来たのでお昼を食べて行くことに。街で一番のレストラン(吉田データバンク調べ)のAu bon coinにやってきました。
Au bon coin
https://www.facebook.com/AuBonCoinRestaurant/
定食は確か、前菜+メイン+デザートで14ユーロ(約2000円)ほど。パリでは前菜一皿の値段といったところです。写真は取り放題の前菜ビュッフェ。どれもちゃんとここで作っています。
「はい、メインは添えられた甘めのマスタードがポイント高いハムステーキ! 付け合わせは揚げたてのフリットですよ。」
最近、膝の上ならおとなしくできるようになった黒犬です。
デザートはイル・フロッタン(メレンゲをクリームソースに浮かべたもの)。焦がしたカラメルソースにプリン感あり。値段は良心的なだけに、こういうひと手間がありがたいですね。店内は大きな暖炉で暖められ、平日のせいかお客さんはほとんど常連のおじいちゃんおばあちゃん、サービスのマダムは愛想が良く、料理はまっとうで美味しい。
パリは確かに「美食」の町ですが、値段も今や気軽に行けるものではなくなりました。今や地方にしかない「暖食」とでもいうべきレストランの存在が、ますます貴重に感じられる今日この頃です。どこかで書籍を作りたいっ(野望)。
「ところでデザート、一口降ってこないですかねえ」
ないです。
「ちぇ」
お店に入るのが遅くなり、最後の客になったわれらですが、帰る前に記念ペロリ写真を撮らせてもらいました。ごちそうさまでした!
というわけで、ヤドカリならぬカンガルースキと次なる目的地へ。
車で30分ほど、森を抜けて到着したのは周りには何もない場所にポツンとある17世紀の館。ペルシュ地方で今注目されているコンセプトストア、Chez Nous Campagneです。この敷地内に宿があり、サロン・ド・テとブロカントショップ、庭園が含まれます。
Chez Nous Campagne
https://www.chez-nous-campagne.com/
無造作に置かれた雨に濡れるガーデンチェアにも、侘び寂びの趣。
「こんにちはー。先ほどお電話した黒キツネですよー。開けてくだされー」
もちろん、犬も入れます。
「店内は落ち着かないので、抱っこしなさい」
命令形か。
いつの時代のものかわかりませんが、とても珍しい家庭用(?)祭壇を使ったショーケース。
照明、テーブル、カゴ、膝掛け、食器、、。何でもパリを基準にしてしまいますが、ここはパリにあってもおかしくないようなお洒落ブロカントショップです。
18時半には閉店なので、サロン・ド・テは早めにどうぞ←間に合わなかった人。
そして、さすが地方の優雅さ。サロン・ド・テには大きな鳥籠があり、三羽の鳥が綺麗な歌声を聞かせてくれます。
歌姫はカナリアたち。
「黒犬スキのテーマ曲、歌いましょか?」
ウミネコみたいにアオアオ鳴くやつね。結構でございます。
外に出ると、もうすっかり陽が暮れていました。地元の人に話を聞くと、「パリから移住する人も増えていて、今度はペルシュが流行るらしい」と30年前から言われていて、いまだにイマイチ流行が来ないペルシュ地方。その原因は車でしかアクセスできない不便さかなとも思いますが、個人的にはそのままでいてほしいと思っています。
ノルマンディー地方の隠れた宝石であり、フランス北西部の南仏プロヴァンス(←すでに南じゃないし)とでも言うべきペルシュ地方。同じノルマンディー地方なのに我が家からも片道2時間という遠さですが、これからもペルシュ推しで、また犬猫と共にご紹介したいと思います。次回は犬1猫2と、ロワール地方の古城を訪ねる予定です。どうぞお楽しみに。