【マニラ=森浩】全国で相次いで発生している強盗事件を巡り、フィリピンのレムリヤ司法相は31日、犯行の指示役とされる日本人特殊詐欺グループ4人=同国の入管施設で拘束中=の送還について、6日までの決着を目指す意向を示した。2月第2週に予定されているマルコス大統領の訪日までに全員の送還を実現したい考えだ。
警視庁は31日、現地大使館を通じて4人の早期送還を要請したと明らかにした。4人は警視庁が特殊詐欺にからむ窃盗容疑で逮捕状を取った渡辺優樹(38)▽今村磨人(きよと)(38)▽藤田聖也(としや)(38)▽小島智信(45)-の各容疑者。
レムリヤ氏は31日の会見で、日本側は4人全員を一度に移送する考えだとも明らかにした。その上で、「部分的に移送させるか4人同時にするか検討する」と述べた。
日本の警察当局は現地への捜査員派遣など身柄の移送に向けた態勢整備を急いでいるが、移送の人数や時期を巡ってはなお曲折する可能性がある。レムリヤ氏は日本側の意向は「最大限尊重したい」と話している。
レムリヤ氏は同時に「一両日中に1人が送還可能だ」との見方も示している。司法省は送還可能な1人が誰かを明らかにしていないが、「裁判を抱えていない人物だ」と説明しており、1月25日に暴行罪での訴追が棄却された今村容疑者との観測が上がっている。