【台北=矢板明夫】台湾の陳建仁前副総統が31日、行政院長(首相に相当)に就任し、行政院(内閣)の新体制が発足した。陳氏はあいさつで「新型コロナウイルス禍後の社会秩序を回復させ、繁栄を取り戻す」と語った。
呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相)、邱国正国防部長(国防相)、対中政策を主管する大陸委員会の邱太三主任委員が留任した。外交、安全保障、対中政策を担う主要幹部を続投させることで、基本路線の継続を内外にアピールした形だ。
与党、民主進歩党の関係者によると、外交部長には蕭美琴駐米代表の起用も一時、検討されたという。だが、マッカーシー米下院議長が訪台する可能性があるなど対米関係の重要性が高まる中、蕭氏が米国に留まった方がよいと蔡英文総統が最終的に判断したとみられる。
一方、内政部長(内相)など内政に関わるポストに新人が起用された。