埼玉県の大野元裕知事は31日の記者会見で、最先端の技術を活用してコンパクトなまちづくりを推進する「埼玉版スーパーシティ」構想について、新たに18市町が参加したと発表した。すでに11市町が取り組んでおり、参加自治体は29市町に増えた。大野知事が令和元年8月の知事選で掲げた目玉公約で、早期に全63市町村への拡大を目指す。
構想は、商業や医療、交流などの拠点の集積による「歩いて暮らすことができ、買い物難民や交通難民が生じないまちづくり」を掲げる。大野知事は人口減少や高齢化への対応策と位置づけており、すでにさいたま市や秩父市など11市町が参画している。
今年1月に新たに構想にエントリーしたのは所沢、本庄、春日部、戸田、朝霞、桶川、北本、蓮田、鶴ケ島、ふじみ野、白岡の11市と、三芳、小鹿野、神川、上里、寄居、宮代、杉戸の7町で、各市町はプロジェクトの具体化を急ぐ。
戸田市は次世代移動サービス「MaaS(マース)」の実証実験を実施。オンライン診療車で患者宅を訪問、病院の医師とつなぐ試みだ。また神川町はドローンを活用して日用品の配送などを行う「スマート物流」の導入を図る。
県は財政支援や企業とのマッチングのサポートなどを行う。さらに市町村に構想への参加を引き続き促す考えだ。大野知事は「自治体の理解が進んできている。できるだけ早期に全63市町村にエントリーしてもらい、持続可能な成長を実現するまちづくりを全県で進めたい」と強調した。