戦国期、里見氏と北条氏の両水軍による攻防戦の舞台となった千葉県の内房沿岸の「海城」を歴史・文化的な資産として活用し、同地域を盛り上げようとする複数の取り組み「海城サミット2023 in Chiba」が始動した。お城を活用した地域活性化などを目指す千葉城郭保存活用会が企業や団体と連携して行う。
1月には、JR内房線でスタンプラリーが始まった。蔵波城、佐貫城、勝山城など、袖ケ浦市から鋸南町の間にある同線の駅から行ける8城が対象。専用アプリをダウンロードしたスマートフォンを持って各城を訪れるとスタンプが押され、8城集めると景品がもらえる。3月19日まで。
スタンプラリーの対象でもあり、戦国時代、「房総の海城の要」として存在感を示した金谷城(富津市)。遺構は私有地にあるため、通常は非公開だが、現在は原則、月1回「四脚門跡」などが公開されている。2月12、19日には頂上部分の「主郭」が初めて公開され、活用会のスタッフが現地で説明する。参加費は資料代含め700円で、はがきで申し込む(詳細は塚原緑地研究所のホームページ参照)。
このほか、海城をめぐるツアーや講演会、歴史トークと音楽を組み合わせたコンサートなどが、2~3月に開催される。
海城の魅力について活用会の小室裕一代表は、「港を守ったり、海を見張ったりする役割があるので、主に眺めのいい場所にある。眺望のすごみを堪能し、状態の良い遺構を楽しんでほしい」としている。