7月2日にオープンする水戸市の新市民会館(同市泉町)が報道関係者に公開された。県内最大の2千人を収容できる「大ホール」やイベント開催などが可能な「やぐら広場」、市民らの憩いの場となる「ラウンジギャラリー」などが備わる。市は「芸術・文化とにぎわいの拠点になれば」と期待を込める。
市民会館は、令和2年に着工し、昨年10月末に完成した。地上4階、地下2階建てで事業費は192億5千万円。市新市民会館整備課によると、「城下町」や「和」といった水戸らしさをイメージしたデザインで設計したという。
大ホールはコンサートや講演会などの催しが開催できる多目的ホール。壁面には、水戸の梅の花をモチーフにしたガラス製コンクリートの音響反射板が252枚取り付けられた。
収容人数の異なる中、小ホール、木製の柱やはりを組み上げて作ったやぐら広場は販売会やパネル展示のほか、国際スポーツ大会などの際のパブリックビューイング開催も可能だ。
学生や市民らが勉強や休憩の場として利用できるラウンジギャラリー、スタジオや展示室、和室のほか、22畳の広さがある4階の板の間からは、屋上庭園と水戸芸術館のシンボルタワーが一望できる。
市は会館北側の水戸芸術館と、南側の京成百貨店を合わせたエリアに「MitoriO」(ミトリオ)という愛称を付け、芸術文化の振興とにぎわい創出の拠点としたい考え。開館までには、国道50号の上を通り百貨店との間をつなぐ上空通路も整備する。
市民会館は12月8~10日開催の「G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合」の会場にもなる予定で、市は「後世に伝わるG7にしたい」と意気込む。同課の須藤文彦課長は、「芸術・文化の施設にとどまらず、市民の暮らしの拠点として館内に毎日立ち寄れるような自分の居場所を作れる施設にしたい」と話している。