衆院予算委員会は30日午前、岸田文雄首相と全閣僚が出席し、令和5年度予算案に関する基本的質疑を実施した。一問一答形式による本格論戦がスタートした。首相は2025年大阪・関西万博に関し、「ASEAN(東南アジア諸国連合)をはじめとする国際機関と連携し、人材育成に貢献することが大事だ」と述べ、ASEANなどの人材を万博の準備や運営に活用する考えを表明した。
首相は防衛力増額に伴う増税方針について「国民の負担をできるだけ抑えるべく歳出改革など行財政改革の努力を行った上で、それでも足りない部分は税制措置をお願いする」と重ねて理解を求めた。5月に広島で開催する先進7カ国首脳会議(G7サミット)ではエネルギー問題や食料安全保障などを議論することに意欲を示した。
午後は立憲民主党の岡田克也幹事長が昨年末に閣議決定された国家安全保障戦略に明記された「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の行使が専守防衛に逸脱する可能性を首相にただす。立民は首相の長男、翔太郎秘書官が首相の欧米歴訪に同行時、公用車で観光や買い物をしたという一部週刊誌報道も取り上げる。