国内でコロナ感染減少傾向続く 5類移行にはなおハードル

産経ニュース
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

国内の新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向が続いている。厚生労働省の最新の集計では、27日までの直近1週間に全国で報告された新規感染者数は前週比で0・62倍となり2週連続で減少。人口10万人当たりだと357・4人だった。厚労省の専門家組織は25日、「全国的には減少傾向が続くことが見込まれる」と評価している。

ワクチン接種の進展などで致死率や重症化率は低下した。一方で、「第8波」の今冬は死者数が過去最多を更新するなど高い水準が続いている。新規感染者のうち80代以上の高齢者の占める割合が増加しており、基礎疾患が悪化する冬場は注意が欠かせない。

免疫の減衰や変異株の置き換わりにも注意が必要だ。厚労省や専門家は、第8波の感染拡大要因に、免疫をすり抜けて感染する「免疫逃避」の性質を挙げている。現在主流であるオミクロン株「BA・5」はこの特徴を有し、置き換わりが進んでいる派生型の「XBB」「BQ・1」などは、より強いとされる。

世界保健機関(WHO)が新型コロナの感染拡大を受けて出している「緊急事態」宣言の解除を検討する中、日本政府は経済社会活動を正常化するウィズコロナへ大きくかじを切っている。5月8日に感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる予定で、3年に及ぶコロナ対策は「出口」を迎える。

令和2年1月に国内で確認されて以降、政府の最優先課題が新型コロナ対策だった。同年4月に初めて特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令に踏み切り、感染の波に襲われるたびに行動制限を余儀なくされた。

感染者数の増加は内閣支持率を左右し、コロナ禍で安倍晋三元首相、菅義偉前首相、岸田文雄首相とリーダーが交代。3年10月に発足した岸田政権は医療提供体制の強化などを進め、4年春の「第6波」以降、宣言発令を回避してきた。

5類への移行で区切りを迎えるが、首相は医療費の公費負担などは3月上旬に示すと結論を持ち越した。屋内外を問わず個人の判断に任せるとするマスクの着用ルールも具体的な見直し時期は打ち出していない。

厚労省の感染症部会は5類への引き下げに合意しつつ、オミクロン株と大きく病原性が異なる変異株が出現した場合、「ただちに対応を見直すべきだ」とクギを刺した。円滑な移行にはなおハードルが残る。

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